上場企業の化学メーカー2社で10年間ほど生産技術職に携わってきました
私がこれまで経験した化学プラントの生産技術業務について記事にしました
化学メーカーでは製品が出ない限り、利益は生まれることはありません
安全・安定に製品を生み出す責任はもちろん伴いますが、自社の生産に直接携わることができます
生産技術はとても幅が広く、企業毎で位置づけも異なってきます
就職・転職を検討されている方は、企業毎の業務内容をよくご確認ください
簡単な略歴
これまで、化学メーカーの生産技術職を2社にて勤務しました
一括りに「生産技術職」といっても、業務内容は多岐にわたります
私が経験した業務の一例としては
・ プロセス設計業務(新規プロセスの構築と既存プロセスの改善)
・ トラブル対応(原因究明と恒久対策の検討)
・ 生産現場改善(安全・安定・品質・低コスト)
・ 運転方法の標準化(運転の取扱説明書の作成)
企業により異なりますが、新規のプロセス開発など10年くらいという短い期間ですが生産現場に関わることを色々経験させて頂きました
生産技術職の業務内容
「生産技術職」の業務内容の詳細や所掌範囲は企業の組織により異なります
色々な部署があるので、細分化された組織ほど注力する業務は変わります
(私の場合、1社目:プロセス設計業務、2社目:生産現場改善と運転方法の標準化)
「生産技術職」の細かい点は変わりますが、大枠はどの企業も同じです
化学メーカーの核となる製造現場のSQDCを実現する役割を担っています
つまり、お客様は製造現場、現場が安心できる生産システムを築くことです
そのため、化学工学、機械、電気、化学、安全など幅広い知見が必要になります
企業の取扱製品によって、更に必要な知見は異なってきます
徐々に知見は備わっていくので、スキルアップとしても十分やりがいはあります
生産技術職の魅力
生産技術職の魅力を以下に挙げました
・ 設備やシステム、プロセスを導入して製品ができると達成感を感じる
・ 成果を出すと製造現場に感謝される
・ 幅広い知見が身につくため、スキルアップに繋がる
基本的には、機械エンジニアや電気エンジニア、製造現場と協業する業務です
そのため、成果が出た際は部署の垣根を越えて喜びを共有できることも魅力です
バルブを変えるとか、機器を省エネのものに更新するとか、ちょっとしたことでも自分が
手を加えたところには愛着が湧くものです
「自身が成長するほど、工場も進化する」、男のロマンではないでしょうか
私がやりがいを感じたことは、製造現場の人からの要望が増えたことでした
私の経験上、製造現場の方は職人気質の方が多いので、中々感謝されません
その代わりに要望をよく言ってくれるようになります(半分、愚痴ですが)
要望を言われるほど信頼されているケースがほとんどでした
最初は気付きませんでしたが、気付いた時は「やってて良かった」と心底思いました
生産技術職のしんどいところ
私がしんどいと感じた体験をまとめました
・ プラントでは検討することが多いため、残業が多くなりがち
・ トラブルは人の都合に関係なく発生するため、思い通りの時間をつくれない
・ 検討ミスでプラントが動かない、品質を確保できない
設備、プロセス、システムを変更する際は試運転が必要で、その際は交代勤務で工場に寄り添うことがありました(私は2交代で夜勤が続くことも)
体力的には辛い時もありますが、家に帰っても変更したところは気になるものです
今は見直されて笑い話ですが、トラブルが続き、毎月が繁忙期ということもありました
一番つらいのは、トラブルの発生、特に火災や漏洩の重大事故です
深夜、休日問わず、召集されて対応することから始まり、工場の再開許可申請に向けて
原因追及、再発防止策の立案等、早急に求められます
化学プラントでの重大事故については以下の記事でも紹介しています↓↓
トラブルから学ぶことは多いですが、やっぱり起きてほしくないものに違いありません
最後に失敗ですが、改装した設備が予定通り動いてくれず、製品ができなかった経験があります
前もって準備してても起きてしまうと、焦ってパニックになります
前もって、万が一失敗したらどうするか回避方法を準備しておけば、大丈夫です
まとめ
生産技術職の魅力を最後にまとめます
「生産技術職」は体力・精神的に辛い時もありますが、それを上回る達成感があります
最初から幅広い知見を有している人はいません
時には泥臭いことも必要ですが、地道に努力すれば、着実に自身の成長に繋がります
自分の専門を活かすことはもちろん必要ですが、必要な知見の幅は広いです
今後の選択の一助になれば幸いです
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