【安全第一】安全第一、品質第二、生産第三って知ってますか

使えるスキル

「安全第一」は誰もが必ず耳にするフレーズです

労働災害の発生件数は昔に減ってきているとはいえ、重大事故はなぜ起きるのでしょうか
※労働災害件数の動向は「建設業労働災害防止協会HP」をご参照ください

理由は、安全を真剣に考える人があまりにも少ないからというのが結論です

ちょっとした油断が重大事故につながっていることが多いのが現実です

安全とは一体どういう意味か説明できますか?
(もちろんですが、危険でない状態という意味ではありません)

この記事で分かること

① 「安全の位置づけ」がわかる
➁ 「なぜ安全が後回しになりがちか」がわかる
③ 「他社の安全の取り組みの調べ方」についてわかる

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理想の優先順位はSQDCの順

建築業界や製造業界では、安全、品質、コスト、納期の観点から活動目標が設定されます

安全(Safety)、品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)の英語の頭文字をとって、
SQDCと呼ばれています
※SQDCに環境(Enviroment)を加えたSQDCEもありますが、ここでは割愛します

S/Q/D/Cは互いにトレードオフの関係にあり、1つを優先すれば何かが犠牲になります

その優先順位として、安全>品質>納期>コストが理想とされています

しかしコストもしくは納期に重きが置かれていることが多いです

なぜ安全は中々優先されないのでしょうか

安全を考えるのは面倒?

安全について考えるうえで、リスクアセスメントが必要です

リスクアセスメントは、以下の手順で進められます

実施フロー例

① 作業毎にどんな危険があるかを想定
➁ 特定した危険毎にリスクレベルを見積り(重大性と発生頻度でレベルをⅠ~Ⅳの4段階評価)
③ リスクレベルⅡ以下になるように実施策を検討(事前対策と事後対策
④ 作業関係者でリスク低減策を共有し、実施する
※ 興味がございましたら中央労働災害防止協会HPを一度覗いてください

リスク低減策の検討でよくありがちなのが、事後対策しか検討していない例が非常に多いです
(例:薬傷を防止するために、保護手袋を装着する)

作業前にリスクを排除するするように留意しましょう
事後対策はあくまでも事故を軽減させるものです

リスクアセスメントの他に、詳しくは割愛しますがKY(危険予知)もあります

このように、安全を考えるだけでも非常に手間であることがわかります

安全を優先すると時間がかかる?

上述したリスクアセスメントはリスク低減の対策を検討するにとどまります

本当に安全を守るにはリスクアセスメントで決めた内容をきちんと実施することです

例えば、「1.5m以上での作業は墜落製紙用器具を使用する」と決めたとします

長時間の作業であれば守ると思いますが、すぐに終わることであれば守りますか?

「ちょっとくらい」とか「すぐ終わるし」と思うと思います

この場合、墜落製紙用器具をつけている間に終わるから、もったいないと私は思ってしまいます

しかし、そのちょっとのことで事故が起きてしまうことが多いです

安全は時間がかかるし、面倒くさいことの連続です

そのちょっとした面倒とあなたの命、どちらが大事かよく考えてみましょう

安全はお金がかかる

安全を重視しすぎると、お金がどれだけあっても足りません

例えば

・現場でのバルブ操作は危険だから、工場内のバルブを全て遠隔で操作できるようにする

作業頻度が少なく、リスクの小さい作業に対して、お金をかけていると企業として利益が減ります

安全を優先することは大事ですが、過剰になると他の品質、コスト、納期に影響が及びます

結局は、コストとのバランスです

安かろう、悪かろうは最悪ですが、安くてもリスクアセスメントで安全が確保されるように
考えること大切です

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最終的に安全の観点からチェックする

結論、SQDCはバランスが必要です

プラントエンジニアとしては、売り上げ(コスト)と納期厳守はもちろん必要です

設計段階から、工事、運転、ユーザー側での取り扱い(作業)、保守点検を想定できれば最高です

人が要因である労働災害が多いですが、設計でカバーできる事例も多くあります

例えば、メンテナンス性を考慮していない配管設計は見かけることがあります

その設計で想定されるリスクは何か、リスクを回避できる方法はあるか確認したいところです

最終判断は安全が確保できるか(十分にリスクは低減できているか)、それに尽きます

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その安全対策は誰のためにやっている?

会社がやれと言われているからのように受動的な安全対策が多いのが現状です

安全対策を行った記録を残すための形式上の安全対策があるのは否めません

特に、ベテランになるほど「慣れ」があるため、安全への配慮が疎かになってしまいます

記載する内容も定型化して、記録のためにやってしまいがちです

安全は命に関わります

安全を怠ると自身に返ってきますし、社会からの信頼度も低下します

家族が待ってくれていることを忘れないでください

あなたが危険に陥ると、家族にも心配をかけてしまいます

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職場の安全サイトで安全意識を高める

定期的に自社以外の安全事情を仕入れることで安全意識を高めることができます

「人の振り見て我が振り直せ」

職場の安全サイトでは労働災害事例、安全に関する情報を無料で閲覧できます

厚生労働省が運営するサイトであるため信憑性は高いです

職場の安全サイトでわかること

① 労働災害の統計データ
➁ 労働災害発生事例
③ 労働安全関連の教育動画、ツール
④ 化学物質のリスクアセスメント
※リスクアセスメント実施を必要とする化学物質が2023年4月より拡大しています
 2024年4月から義務化されます(それまでは努力義務です)

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まとめ

いくら安全第一を謳っても働災害が起きてしまうのが現状です

確かに安全を考えるのは面倒だし、お金も時間もかかつため、避けたい気持ちはわかります

しかし、それで事故を起こしてしまっては元も子もありません

安全とは既にわかっていると思いますが、リスクがない状態を意味します

作業をするうえで、リスクがゼロの状態をつくるのは困難です

リスクを最小限なる状態を作り出す、それこそ安全の極意です

安全を生み出すことができるのは我々人しかできません

もう一度立ち止まって、安全について考える機会をつくってみてはいかがでしょうか

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